Birthstone
生まれた月の石は、
空か、大地か、海か。
ひと月にひとつ、季節の色を身につける。
ガーネットGarnet
ざくろの実の色
名前は、ラテン語の「ざくろ」から。割った実の赤い粒に似ていたことが、そのまま名前になりました。古代エジプトでは、すでに首飾りとして身につけられ、のちには旅に出る人が無事を願って持ち歩いた石でもあります。赤だけでなく、橙も、緑もある。思っているより、色の広い石です。
アメジストAmethyst
「酔わない」石
ギリシャ語で「酔わない」という意味の言葉が、名前のもとです。昔の人は、この石があれば正気でいられると信じていました。紫は長いあいだ、王と聖職者の色でもありました。淡いラベンダーから深い菫色まで、一粒ずつ紫の濃さが違います。
アクアマリンAquamarine
海の水の名を持つ石
ラテン語で「海の水」。船乗りたちが、航海のお守りにしていた石です。エメラルドと同じベリルという鉱物の仲間で、光にかざすと青はさらに薄く、透きとおります。春のはじまりの、浅い海の色をしています。
モルガナイトMorganite
花びらより淡い桃色
1910年、マダガスカルで見つかった桃色のベリルです。翌年、ティファニーの宝石学者が、銀行家モルガンの名をつけました。アクアマリンやエメラルドと同じ家族で、桃色は花びらより少し淡い。四月の、いちばんやさしい石です。
エメラルドEmerald
女王の緑
古代エジプトの女王クレオパトラが、自分の鉱山を持っていたことで知られる石です。ギリシャ語の「緑の石」が名前のもと。内側に見える小さな内包物は「庭」と呼ばれ、だから一粒ずつ緑の表情が違います。五月の緑の、いちばん深いところにある色です。
ムーンストーンMoonstone
月の光が固まった石
古代ローマの人は、月の光が固まったものだと考えました。インドでは、神聖な石として大切にされてきました。内側を流れる光は、石を動かすと青く揺れます。白く見えて、白ではない。雨の夜、雲の向こうにある月の色です。
ルビーRuby
宝石の王
サンスクリット語で「宝石の王」と呼ばれた石です。ラテン語の「赤」が、そのまま名前になりました。サファイアと同じ鉱物で、赤いものだけをルビーと呼びます。角度で赤の濃さが変わる。夏の光を、そのまま閉じこめたような石です。
スピネルSpinel
ルビーと呼ばれていた石
長いあいだ、ルビーと間違えられてきた石です。英国王室の王冠に据えられた「大きなルビー」も、じつはスピネルでした。名前はラテン語の「とげ」から。結晶の尖った形に由来します。黒いスピネルは、ダイヤのように強く光ります。夏の夜の、いちばん深い黒です。
サファイアSapphire
空の青のもと
古代ペルシャの人は、空が青いのは大きなサファイアの反射だと考えました。ギリシャ語の「青い石」が名前のもとです。ルビーと同じ鉱物で、赤以外の色をサファイアと呼びます。だから青だけでなく、黄も橙もある。秋の夜空の、深い青です。
トルマリンTourmaline
混じった色の石
スリランカの言葉で「混じった色の石」。桃色、緑、茶、青と、ひとつの石に色が多いことからついた名前です。熱を加えると電気を帯びるめずらしい性質があり、昔のオランダ商人はパイプの灰を集めるのに使ったといいます。十月の野の色を、そのまま持っている石です。
シトリンCitrine
レモンの名を持つ水晶
フランス語の「レモン」が名前のもとです。アメジストと同じ水晶で、黄色いものをシトリンと呼びます。淡い黄から蜜色まで。商人が店に置いて繁盛を願った石でもありました。十一月の低い陽の、蜜のような色です。
タンザナイトTanzanite
世界でひとつの産地
1967年、キリマンジャロのふもとで見つかりました。世界で、ここにしかない石です。翌年、ティファニーが国の名をつけて「タンザナイト」と呼びました。角度で青にも紫にも見える。日が沈んだあとの、空の色です。
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